当社は、2020年11月16日に、第一種医療機器製造販売業であるPIA株式会社からの会社分割により設立した会社です。これまでPIA株式会社で培った医療機器製造販売業のノウハウを活用し、心臓シミュレータという革新的なテクノロジーを用いて、新たな医療機器の開発および事業化に取り組んでいます。
PIA株式会社の紹介はこちら
心臓シミュレータとは、十年以上にわたり東京大学が富士通株式会社と共同し、スーパーコンピュータ上で開発した技術です。臓器レベルから分子構造レベルまでの高度なモデリング技術とスーパーコンピュータの超高速計算技術により、人体の臓器を仮想空間上に再現することが可能となります。
この技術を活用し、患者様にとって侵襲性の高い検査の置き換えや、医師にとって難解な手術の術式決定の支援、更には手術後の効果予測や現状では見えない細かい血管レベルの状態把握など、今後様々なサービスを開発し提供してまいります。世界をターゲットとして大きく事業展開し、人類のQOL向上を大きな目標としています。
本事業は、東京大学、富士通、PIA社の三つの組織がキープレイヤーです。この三組織を繋ぎ、心臓シミュレータという素晴らしいテクノロジーを世に出すことが、私自身の使命と考えています。というのも、私は三組織全てに所属していたからです(下記経歴の通り)。
これらの集大成として、人生をかけて、本事業に取り組む所存です。私だけではなく、強い思いを持った信頼できる仲間が集結しました。ぜひ彼らの紹介もご覧ください。
本事業は社会的意義の非常に高いものです。診断、治療の前に、あなたの心臓が忠実に再現され、目の前で見ながら状態を把握でき、そして治療結果までも予測できる。そういった、従来にはない、全く新しいデジタル医療の世界を作りあげたいと考えています。
ジャパンメディカルデバイス株式会社
代表取締役社長兼CEO 岡野貴史
経歴
1997年に東京大学理科Ⅰ類に入学、2003年に東京大学大学院工学系研究科システム量子工学専攻を修了
2003年に富士通株式会社に入社、コンサルティング(2003~)、グループ経営(2007~)、新規事業企画(2017~)、
ヘルスケアSE (2020~)を経験(2012年マネージャーに昇格、2017年シニアマネージャーに昇格)
2019年1月からPIA株式会社の執行役員を兼務、2020年7月からPIA株式会社に出向
千葉 修一
執行役員兼CTO (最高技術責任者)
紹介
神戸生まれ。1992年、株式会社富士通神戸エンジニアリング入社後、通信制御プロセッサのソフトウェア開発に従事。2003年、富士通株式会社入社し基幹オンラインシステム向けトランザクション制御の研究開発に従事した後、スーパーコンピュータ「京」のソフトウェア開発のチームリーダーとしてコンパイラの研究開発に従事。 低レイヤーから上位のアプリケーションまでをカバーする幅広い保有技術を武器に研究開発を牽引し、みずほ銀行などの金融システム、宇宙航空研究開発機構 JAXAなどスーパーコンピュータシステムの構築に貢献。 2007年よりフラッグシップ2020プロジェクトに参画、スーパーコンピュータ「富岳」におけるソフトウェアの開発責任者としてプログラミング環境(コンパイラ、ライブラリなど)の開発を主導。 「富岳」向けの研究開発では、シミュレーションの高速化技術を論文発表し「富岳」の完成を待たずに“FIT2018 船井ベストペーパー賞“を受賞。開発した技術を搭載したスーパーコンピュータ「富岳」は、2020年11月に2期連続4部門で世界一となっている。
担務
心臓シミュレータの技術を活用したデジタル医療機器の実用化/事業化に向けた技術戦略、および技術開発のマネージメント。 さらに、未来の医療現場に向けたデジタル医療の在り方を創造し、IoT技術との連携などニューノーマル時代の社会基盤を設計。 また、スーパーコンピュータ「富岳」を中心とした技術研究に加え、ポスト「富岳」を見据えた技術者の育成に取り組み、スーパーコンピュータが牽引する未来社会に貢献する。
心臓シミュレーションへの思い
自身が持つスーパーコンピュータ技術の活用先として社会的課題への展開を検討する中、父親を循環器疾患で亡くしたことをキッカケに医療分野への参画を決意しました。 心臓シミュレータの技術を活用しデジタル医療を実用化することで、ひとりでも多くの患者様や医療従事者の方の力になれればと思っています。
もっと詳しく…
徳丸 嘉彦
ビジネスオペレーション ディレクター
紹介
1978年早稲田大学政治経済学部卒業、富士通株式会社入社。 システムエンジニアとして国内勤務後、米国勤務 (1988~1994)、豪州勤務(1998~2004)を経てコンサルティング事業本部に帰任。 同本部 副本部長を経て、2007年富士通グループのコンサルティング事業集約に伴い株式会社富士通総研へ異動し、コンサルティング本部長、経済研究所所長歴任(取締役執行役員常務)。 2017~2021年富士通株式会社エグゼクティブストラテジスト。
活動分野
・ホワイトカラー生産性向上コンサルティングサービスの企画・開発・実施 ・フィールド・イノベーション活動の企画・実践およびフィールド・イノベーター育成 ・経営・現場・ITの一体化合意形成手法(Results Chain)日本版開発・実践・普及 ・デジタルイノベーション活動の企画・実践およびデジタルイノベーター育成 ・社会科学系研究組織のマネジメント ・上記分野に関わるコンサルティング、社内外講演、等
心臓シミュレーションへの思い
企業として確固たる存在意義を持って社会貢献していくためには、持続可能な事業性を維持・向上させることが必要だと考えています。 高度で複雑な医療シミュレーションをサービスとして提供する、MDaaS(Medical Device as a Service)というビジネスモデルを通して、心臓シミュレータという最先端機能の恩恵をより多くの方々にお届けする。この使命を実現するためには前例のない新たな事業・業務プロセスを創り上げていくことが必要です。 今までに培った多様な業種・業務経験と知見を集大成しこの命題に取り組むことにより、患者様QoLの向上、医療リスクの軽減、医療コストの削減という社会的意義に貢献できる業務執行を司る所存です。
南 一生
テクノロジーアセット ディレクター
紹介
1981年日本大学 理工学部物理学科を卒業(素粒子・量子力学専攻)し富士通株式会社入社。システムエンジニアとして主に原子力分野のシミュレーションコードの性能最適化および業務システムの開発に従事。 2000年に課長職にて富士通退職後、高度情報科学技術研究機構(RIST)に入社。地球シミュレータ上で地球科学分野・ナノ分野等多方面のアプリケーション開発に従事。 2008年より理化学研究所にて「京」開発プロジェクトのアプリケーション開発チームリーダーとして「京」上のアプリケーション開発に従事。2013年RISTを退職し理化学研究所に入社。以後、計算科学研究機構・計算科学研究センターのソフトウェア技術チームヘッド・チューニング技術ユニットリーダーとして「京」の運用および、2014年よりフラッグシップ2020プロジェクトにて「富岳」のアプリケーション開発に従事。 2017年神戸大学大学院システム情報学研究科博士課程後期課程修了し博士(工学)を取得。博士論文テーマは「アプリケーション実行性能最適化技術の研究」。
受賞歴、研究成果
・2011年 米国計算機学会 ゴードン・ベル賞受賞 ・2014年-2017年 HPCGBenchmarkにて2位・1位 ・2017年 計算科学のためのHPC技術2出版(大阪大学出版会/下司雅章編/1-3章を分担執筆) ・2019年 The Art of High Performance Computing for Computational Science, Vol. 2, Springer, Singapore出版(下司雅章編/1-3章を分担執筆)
専門分野
物理のバックグラウンドを生かし、スーパーコンピュータを代表とする計算機上で動作する様々なアプリケーションコードを読み解き、性能測定・性能評価・アプリ特性分析・高並列化・性能最適化等を行うことを専門とする。 また、アプリケーションの周辺システムの開発についても経験を有する。
心臓シミュレーションへの思い
産業分野へのシミュレーションの利用は進んできていますが、医療分野へのシミュレーション技術の適用は発展途上にあります。 その中で医療の現場に、今までの経験で構築してきたシミュレーションに関する技術を駆使し、医療事業として成り立たせることに、是非深く関わっていきたいと思っています。そのことで社会に対する貢献を成し遂げたい考えています。
霜 仁世
テクノロジー ディベロップメント マネージャー
経歴
2011年3月、福井工業高等専門学校 電子情報工学科を卒業 2015年3月、金沢大学大学院 自然科学研究科 電子情報科学専攻を修了 2015年4月、富士通株式会社に入社
紹介
富士通入社後、共通技術部門のシステムエンジニアとして、アジャイルによるIoTアプリケーションの開発やクラウドベースのWebアプリケーション開発に従事。 新規事業部門へ異動後は、アジャイルのノウハウと開発スキルを活かし、音楽、自動車、運輸等のお客様におけるデジタルテクノロジーを駆使した新規事業創出プロジェクトに参画し、エンジニアリングのスキルをベースとしたビジネス・デザインの領域横断的なアプローチによる、コンセプト設計からUXデザイン、検証まで一貫して携わる。 それら経験を活かした上で、お客様の新規事業創出の支援ではなく、自らが事業主体となりビジネスを推進することに価値を見出し、岡野とともに心臓シミュレータの事業化を推進。 心臓シミュレータの事業化を行うJMDに設立にあたり、自身も退路を断つ形で参画することをすぐに決断し、JMD立ち上げメンバーとして参画。
心臓シミュレーションへの思い
心臓シミュレータのようなハイエンドなテクノロジーが世の中に溶け込んでいくためには、人を中心としたサービスやプロダクト、システムの開発が不可欠であると考えています。 患者様だけでなく、医師や医療従事者、シミュレーションのオペレータなど多くの関係者にフォーカスを当て、全ての人に寄り添った形でのサービスやプロダクト、システムを作り上げていきます。 また、私自身、数年前に父親を癌で亡くした辛い経験があり、エンジニアの立場として医療分野で役に立ちたいという思いが強くあります。 この世界最高峰のテクノロジーである心臓シミュレーションを全世界に提供できる形に仕上げ、一人でも多くの患者様にお届けすることをお約束いたします。
クリエーター
紹介
心臓シミュレーションはインプットデータとして患者様の心臓3Dモデルデータを使用します。 その心臓3Dモデルデータは、CTやエコーなどのモダリティから医療画像WSや3Dモデリングツールを活用し、心臓形状を抽出します。 患者様によって心臓の形状が異なるため、ツールを活用するスキルだけでなく、解剖学的な知見がなければ正しく心臓の3Dモデルを作成することは出来ません。 JMDにはそれらすべてのスキル・知識を保持するクリエーターが多数在籍しております。
専門分野
・医療画像WSやCAEソフトウェアを活用した心臓の3Dモデル作成 ・CATIA、NXなどの3DCADツールや3ds Maxなどのモデリングツールを活用した3Dモデリング
ped UT-Heart 上級研究員 国立循環器病研究センター 名誉客員研究員
白石 公